呑気症(空気嚥下症) |
貴男の訴えは、腸に空気が貯まる病気と思います。腸管にごろごろ空気が多量に貯まる病気を鼓腸といいます。 |
呑気症、巨大結腸症、偽性腸閉塞は鼓腸を症状とする病気です。鼓腸の発生桟序としては、空気嚥下量の増加、腸管内ガスの発生増加、腸管内ガスの排出障害、および腸管内ガスの吸収、血中への拡散障害が考えられます。 |
1.空気嚥下量の増加 |
正常人でも腸管内ガスの約70%が嚥下された空気によるものですが、多量に嚥下された空気のため腹部膨満感、腹痛、げっぷなどの症状を呈するものを呑気症(空気嚥下症)といいます。精神的な事が多いですが、早食い、炭酸飲料の過剰摂取なども原因となります。いろいろな消化管検査により炎症や癌などが心配なければ、性格テスト、心理テスト、自律神経テストの結果も診断の参考となります。治療方針、薬物療法としては界面活性薬、消泡薬、蠕動亢進薬、消化酵素薬を併用します。精神的なものの場合は、精神安定薬の併用を試みます。 |
2.腸管内ガスの発生 |
糖質や野菜を多く含む食品、豆類、イモ類などの野菜類は発酵しやすくガス産生量が多くなります。また消化不良、腸内細菌量の変化などにより発酵や腐敗が亢進した場合にも多量に産生されます。治療方針、発酵性食品の摂取を避けるとともに薬を授与します。 |
3.腸管内ガスの排出障害 |
この原因には麻酔性イレウスや感染症、低カリウム血症等などがあり、炎症、癌などの腸閉塞(単純性、絞扼性)などがあります。多量のガス貯留により主として結腸拡張を認めるものを巨大結腸といいます。 |
4.腸管内ガスの吸収、血中への拡張障害 |
心不全や肝硬変などの腸管の循環障害の病気では鼓腸を示します。 |
治療方針は個々の状態によりますので詳細を略します。 |
貴男の場合は、ゲップをすると空気が胃にたまってしまうためにゲップをしないようにする事です。消化管の桟能も行いましょう。腸流し、注腸レントゲンも行いましょう。 |